読んだ本と新年ことはじめ
新年明けましておめでとうございます。今年もまた良き年だといいな。
先日、母の知り合いというご夫妻とお会いして「読んだ本とかやったことをどこかにまとめておくと良い」と聞きまして。影響を受けやすい質なのでちょろっと書いてみよ、みたいな気持ちで開きました、お久しぶりですね。
最近は卒論ばかりに注力しているので、形態素解析とか自然言語処理周りが個人的に検索の主流ワード。卒論のあれこれで調べた形態素解析の仕組みが面白かったのでそのうちまとめたいな、という気持ちはあります。
というわけで、今日読んだ本の話。
1冊目はサンキュータツオ氏の『もっとヘンな論文』。
www.amazon.co.jp
先日友人と学校帰りの寄り道で買った本。軽妙な語り口で面白い研究の紹介をするという内容で、この論文等をどうやって見つけてきたのかの方が気になりました。
紹介されていたのは番外編を除くと10本。本体読みたくて探した結果、見れないものもあった。国立情報学研究所のciniiのページがあったり論文が見られるやつはそれらを載せておきます。リンク貼るためにJSTAGEの規約読んだけどリンク自由であってるよね?書いてある通りにDOI使ったけど…ダメそうだったら誰か教えて欲しいです。
向井 裕美子「プロ野球選手と結婚するための方法論に関する研究」
あちこちからリンクを辿ったけどPDFのURLは404を吐く。所属ゼミのページからも飛べなかったので今は入手不可なのかな…?割と詳細な分析をしているみたいで、手に入ったら読んでみたいところ。画面越しにみる人間もエキセントリックな感じではなく、普通の出会いをしているんですね、ちょっとつまんない…。拐かして黄泉竈食ひさせちゃうタイプのやばやば神話婚姻譚に慣れきってしまった可能性は否定できないけど。現代社会でエキセントリックな出会い方ってなんだろう。
三柴 友太「「追いかけてくるもの」研究--諸相と変容」
ci.nii.ac.jp
紙媒体でしか出てない可能性が高い。Google Scholarでもダメだった。でもこの「昔話伝説研究」という雑誌は面白そうなタイトルばかり並んでいたのでちょっと気になる…
mukaden.amebaownd.com
吉川 純子「縄文時代におけるクリ果実の大きさの変化」
doi.org
結論の「縄文人、いろんな大きさの栗食べてた」めちゃくちゃ好き。でもここまでしないとわかんないんだよなと思うと、史学ってやっぱおもしれー!の気持ちと人間って面倒!の気持ちが混在しちゃう。
東﨑 雅樹「竹取の翁の年齢について」
ci.nii.ac.jp
またもや見れないやつ。「翁は軽率だしとても誇張するタイプ」という分析が好きすぎる。手を叩いて笑っちゃう。物語って割に若く賢い娘・青年とちょっと抜けてる爺様・婆様(の形状をした異形も含む)の対比はありがちだと思います。浮世絵とかでも美女と野獣の構図、いわゆる横浜浮世絵の西洋人と芸妓さんみたいな対比構造って美女役が際立つよね。
佐々木 正人「「起き上がるカブトムシ」の観察 環境-行為系の創発」
doi.org
ファーブル昆虫記みたいだ!と思った。読んでてちょっと不思議だったんだけど、起き上がる時に翅を使って動きつけたりしないんだね。ひっくり返っちゃった蛾とか蝶って翅をバタバタさせて元に戻る気がします。あとセミファイナルのイメージが強いのか蝉も。
寄藤 晶子「曖昧さが残る場所-競艇場のエスノグラフィー」
genpoo.kir.jp
紙媒体系。競艇場に行ったことないから空気感が共有できなかったけど、サンキュータツオ氏の語りが面白かった。フィールドワーク系する人って筆力すごい感じなのかもしれない。サンプルがすごく偏ってるとは思うけど。
大門 正幸「「過去生の記憶」を持つ子供について : 日本人児童の事例」
doi.org
全然関係ないんだけど、論文に幼児が剥き終わった後のニンニクの山が画像として載ってるのが面白すぎる。事例強度尺度(SOCS)なるものがあるのも面白い。ソックスって読むんですかね。
有馬 義貴ほか「マンガの社会学 : 鍼灸・柔道整復の社会認知」
ci.nii.ac.jp
これも本筋とは関係ないんだけど、健康プロデュース雑誌って?と思ったらそういう学科が大学にあるんですね…?漫画で何らかの通俗的な認識を探るような研究って割とみるから内容的にはあまり目新しくない感じではありました。登場シーンの列挙をしている部分を引用していたけど表現が結構好きだったので本体そのうち読みたい。
池間 里代子「花札の図像学的考察」
id.nii.ac.jp
図像学とは?と思った。美術史研究の1手法で彫刻や絵画の主題・象徴を識別・比較・分類するもの、らしい。分類学に近いのかな…?
kotobank.jp
対比構造や慮りであの美しい柄が生まれたのって、何となく趣があっていいですね。とても好き。
山田 廸生「「坊っちゃん」と瀬戸内航路」
ci.nii.ac.jp
海事史研究は会員にならないとPDF読めない仕様なので歯噛みしてたらなんかあげてるとこあった。日本クルーズ&フェリー学会。グレーなのかな…怖いな、ということでタイトルを検索すれば出るので…。正直論文の内容や後日譚よりも漱石研究年表怖すぎるという感想です。夏目金之助氏がみたらかなり怖がるでしょ。脳がホルマリンにつけられた挙句、大事に保管されてるかと思えば、自分の足跡をとても詳細に本にまとめられてる。想像しただけで怖いな…。
結局、主として取り上げられていて読める論文は4本くらいだったけど面白かった。全体的に本がツッコミ入れながら論文紹介をするというスタンスだったので、人伝に論文とか書籍の内容聞くのが嫌な人じゃない限り楽しめる気がします。番外編として紹介されてる論文も、内容をちゃんと汲み取りながら興味惹かれるような書き方をされていて実際論文も面白かったので興味ある人はぜひ読んでみて欲しいですね、面白かったので。とはいえこれ続編らしいのだけど。
久々に卒研関係ない本読んだのでとっても楽しかったです。友人との寄り道で買った本はあと1冊あるのでそれも今週で読んじゃう予定。このミス17回のやつなので楽しみ。友人もミステリー好きらしくこのミスいくつか買ってたからそのうちどうだったか聞きたいですね。積読ってどうしてついつい増やした挙句にスタックで読んでしまうのか不思議な感じですよね、個人差ありますけど。まだ読めてない積読あるのに金曜に買ったものを読んでしまったという謎の罪悪感がとってもいい読書のスパイスです。卒論終わったらどこかで集中して本読む時間取りたいな。
それではこの辺でおーしまい。